公益財団法人 鹿島美術財団

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日本美術史に
関する
国際大学院生会議
(通称JAWS)

第1回は日本美術史に関する日米大学院会議(US-Japan Workshop on Japanese Art History for Junior Scholars)として1987年に開催。開催地は原則として日本と米国の交互、参加者は日米の大学院生を中心としていたが年月を経るごとに多様性を増している。現在では将来的にグローバルに活躍するための素地になるとして学生の頃からの国際会議等での経験が重視されてきているが、同会議は1980年代からそうした役割を担っていたといえよう。参加者の中には、その後、欧米の大学等で集中講義等を担当するものや教鞭をとるものもいる。

当財団では、第1回(1987年 東京大学)、第3回(1990年 上智大学)、第5回(1996年 学習院大学)、第7回(2002年 慶応義塾大学)、第8回(2006年 セインズベリー日本藝術研究所)第9回(2007年 シアトル美術館)、第10回(2012年 東京藝術大学)、第11回(2017年 ハーバード大学)を援助している。

第1回 JAWS
第1回(1987年)
セミナー風景
セミナー
見学会 重要文化財 永富家
見学会 重要文化財 永富家

国際美術史学会
(略称CIHA)

国際美術史学会(Comité International d'Histoire de l'Art)は世界で最古の美術史に関する国際的な組織である。その創設はUNESCO及びUNESCOの学術部門であるCIPSH(Conseil International de la Philosophie et des Sciences Humaines)に先立つ。1873年にオーストリア、ウィーンにおいて初めての国際大会を開催。以降4年ごとに大会が開催されている。同学会には世界40か国もの組織が加盟している。

当財団では、1991年に日本初でアジア初となる東京コロキウム「美術史における日本と西洋」の開催について援助し、様々な面で支援した。その後、2013年に鳴門コロキウム「Between East and West Reproductions in Art」、2019年に東京コロキウム「Towards the future: Museum and Art History in east Asia」の開催についても援助している。

このほか、海外で実施された大会、コロキウムで日本人研究者が発表する等の援助を実施している。

1992年 Artistic Exchange   ベルリン大会
1996年 Memory and Oblivion アムステルダム大会
2010年 ニュルンベルク大会のための準備会議

1991年コロキウムの報告書
コロキウム 報告書(1991年)

国際学士院連合会
総会
(略称UAI)

国際学士院連合(Union Academique Internationale)は人文学・社会科学分野の学術の国際協同事業を促進することを目的として1919年に創設された国際組織である。65か国82機関の学士院(アカデミー)等が参加している。同連合は2年に1回、総会を世界各地で開催。総会では同連合が実施中の80件を超える学術プロジェクトの進捗状況の評価や新規プロジェクトの審査が行われる。学術プロジェクトは、欧州言語・文化、ギリシア・ローマ世界、オリエント研究、文明史、思想史の6つのセクションに分かれ、美術史はその1つを占めている。美術史関係では、CORPUS VASORUM ANTIQUORUM(古典古代甕瓶集成)、BIBLIOGRAPHIES OF THE HISTORY OF ART(美術史文献目録)、CORPUS RUBENIANUM LUDWIG BURCHARD(ルートヴィッヒ・ブルクハルト ルーベンス作品集成)など10件のプロジェクトがある。当財団は、2017年に日本初の総会(美術史部分)および同連合元会長マデリーン・キャビネス(Madeline CAVINESS)タフツ大学名誉教授による講演「14世紀ザクセンシュピーゲル(ドイツ法書)に描かれた女性とマイノリティ」(於 日本学士院)の開催を援助している。

ボストン美術館
所蔵日本美術品
調査

ボストン美術館が所蔵する日本美術品約70,000点のうち絵画約3,000点、漆器700点弱、仏像100点など未整理の所蔵品を含む計5,000点近い所蔵品を調査対象(浮世絵版画約50,000点と陶磁器約5,000点は同調査の対象外)とした。1990年に開始し、約15年に亘り仏画・垂迹画、仏像・神像、仏具、袈裟・横被、面、水墨画、初期および江戸狩野派、琳派、土佐派・住吉派・復古大和絵、肉筆浮世絵、曾我蕭白・伊藤若冲、近代、円山四条派絵画、南画・諸派、絵巻物等の調査を当財団の支援にて実施した。日本と海外の研究者による先駆的な共同調査である。

現地調査 研究会(2019年)

現地調査での研究会(2019)
現地調査での研究会(2019)

調査実施項目の概要

ボストン美術館
所蔵日本美術品
調査に係る成果の
刊行

第1次調査、第2次調査の成果については、講談社から『ボストン美術館日本美術調査図録 第1次調査』(1997年)、『ボストン美術館日本美術調査図録 第2次調査』(2003年)、英語版Japanese Art in the Museum of Fine Arts, Boston(1998年)の3巻などが刊行された。

ボストン美術館所蔵日本美術品調査に係る成果の刊行
ボストン美術館所蔵日本美術品調査に係る成果の刊行

『ボストン美術館
日本美術品
総合調査図録』
刊行

ボストン美術館での調査から四半世紀近い歳月を経て同調査の全容を公表するため、2022年に『ボストン美術館日本美術品総合調査図録』として刊行。
同書のために、当時の調査メンバーにより執筆された調査成果の評価等と新たな調査メンバーによる追加調査の内容を併せ約3,500点もの画像と詳細なデータを収載。

ボストン美術館日本美術品総合調査図録刊行
ボストン美術館日本美術品総合調査図録刊行

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